ハンゴウスイサンを知らなかったお坊ちゃま

今日の「じゅん散歩」を見ていたら、高田純二が「ハンゴウスイサン」という言葉を口にした。その時、こうちゃんが「ハンゴウ炊飯」ではないのかと聞くではないか。「昔からハンゴウスイサンって言ってるよ」と私は答えたものの、なんだか自信が無くなって来た。

耳で覚えた言葉というものは、伝言ゲームのような間違いや変化が広まる危険だってあるのだから。「プディング」が「ブリン」と聞こえてしまった文明開化の日本人のように、スイハンをスイサンと聞き間違ったのかしら?と心許なくなった。

しかし私はガールスカウトだった時代にさんざんキャンプを経験していたし、日本ガールスカウト連盟公認のキャンプリーダーの資格だって持っている。もはや現場に戻ることも無いので、自慢しても仕方ないのだけど、飯盒でご飯を炊く程度の事は朝飯前だ。

だから当時「ハンゴウスイサン」という言葉はいつも耳にしていた。でも、どんな漢字を書くのかまでは知らなかったのだ。それで急いで調べてみた。
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[在りし日のジャム:で、どうだった?]

ちょっと待ってよ。ちゃんと調べているところだから。

え~っとね、まず「ハンゴウスイサン」が本来の日本語らしいよ。漢字では「飯盒炊爨」と書く。知らなかったなあ、今日まで。「飯盒」の字も「炊爨」の字も。

→ここに【「
飯盒炊爨」か「飯盒炊飯か」?】というタイトルの大変に詳しい記事があるので、ご参照下さい。

因みに、ご存じない方の為に、「飯盒(ハンゴウ)」とはこういうもの。
良い形。むしろ今見るとオシャレじゃありませんか。

そしていまどきのキャンプでは「コッヘル」でご飯を炊くそうだけど、「コッヘル」即ち英語で言えば「クッカー」ですか。つまり調理器具ですね。

その「コッヘル」というのは、例えばこういうもの。

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色々な用途の様々な形や素材のものがあるけど、これなんかキャンプに行かなくても持っているといざという時に便利かも・・・。シンプルだし、日頃からヤカンにも取っ手を180℃回転させてちょっとした鍋にも使えそう。そのままキャンプにも持って行けるし。




では、「飯盒炊爨」をめぐって得られた今日の結論。

7歳下の私の方が昔の感覚の人間で、こうちゃんはいまどきの若い世代に近い。

なんちゃって。それは兎も角、博識な夫が知らない事があったのだと驚いた。
あのねえ、「ハンゴウスイサン」なんてジョーシキだよ、君~。へっへっへ。


こうちゃんは敗戦から5年後に生まれた。まだ「戦後」と呼ばれる古い時代の人間だ。それに比べ私は、経済白書の序文で「もはや戦後ではない」と書かれた翌年に生まれた新時代の人間である。

だけどこうちゃんは都会っ子だし、まだ日本がとても貧しい時代だというのに父親の仕事の関係で、当時まだ珍しかった外国のお菓子や肉の缶詰など豊富にあった家庭で、運転手付きの社用車で株主だった某遊園地の開園日に連れて行かれたようなボンボンだったらしいのだ。

だから飯盒炊爨などという貧乏臭い事とは無縁だったのだろう。そういう事を言うと怒るだろうから言わないけどね。

でも「お父様」「お母さま」と呼ぶようなお坊ちゃまだったのは事実だ。そういう風にしつこくからかうと機嫌が悪くなるな、きっと。でも、ここでネタとして書いちゃった。

これ、悪口じゃないのよ、夫婦仲は悪くありませんし。「卒婚」もしません。どっちも相手を介護する覚悟、出来てます。引っ越し先ではシングルベッド2つにして(今はダブルベッドですが)、片方は介護ベッドを買おうか?とも話しているんだから。

え?2台とも介護用にしろって?2人で枕を並べて寝たきりになったら、誰が看てくれるのよ。

by kazue_gomajam | 2018-11-27 17:55 | 雑感

沢山の猫と暮らして来た時代の名残り。2020年10月に夫婦で断行した私の故郷への移住、小さいけれど好きな物に囲まれた終の棲家で送る夫婦の隠居・隠遁の日々、食べる事や庭いじり、布や糸や木での手作り、映画や音楽・絵画、道具たちについてのあれこれ、そして雑多な想いを書き散らしています。1999年から運営していたHPのコンテンツの1つ「猫雑記」を2018年分からはブログ形式にて継続しているものです。


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